Policy
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建築物はそれを使う人々の数だけあり、同じものはふたつとしてありません。建て主は計画ごとに違いますし、敷地も「地球上のある一部」ですからその敷地はその場所にしかありません。人・場所ごとに設計の条件は違います。
設計者は与条件を読み取り、デザイン性、使い勝手、耐久性・耐震性、維持管理のしやすさ、省エネルギー性、施工性、コスト、etc.…、様々な要素を考慮して設計を行うわけですが、これらの要素は往々にして矛盾することがあります。
例えば窓に着目してみると、採光・換気の面では欠かせないものである一方、耐震性・断熱性・防犯性・プライバシー性といった面で見るとその存在は弱点になってしまいます。
建築物の「設計」とは、様々な要素が複雑に矛盾する中で「落としどころ」を探っていき、ここだ、という絶妙な「バランス」を見極める仕事であると言えるでしょう。
「落としどころ」の判断や「バランス」のとり方は設計者ひとりひとり違うでしょうが、望ましいのは、建て主の個性に沿った工夫と、建築物としての基本的な性能が両立していることであるのは、言うまでもありません。
見た目が奇抜で人を驚かせるようなものも面白いかもしれませんが、建築物は観るものではないのです。「作品」と言われるようなものをつくろうとは思いません。
相反する要素が過不足なくバランスよく納まっていて、虚飾のない自然な佇まい――
そんな建築物を日々丁寧につくりたいと考えています。
イッシュデザイン一級建築士事務所
主宰 石原夏輝